文章修行家さんに40の短文描写お題<色々・全て65文字以内>

お題配布元:文章修行家さんに40の短文描写お題

00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。
「二藍(ふたあい)。サイト名は夜明けの歌。過去の産物ですが置いてみました」

01. 告白(65文字)
言いたかった。でも長いこと言えなかった。口を開いては声にならなかった言葉。
幾度も消えたそれをようやく本当に君に伝えられる。
「    」

02. 嘘(64文字)
偽りを重ねすぎて、何が真実で何が嘘だったのか。もう自分でもわからない。
もしかしたら、自分というこの存在自体が嘘かも知れない、ね。

03. 卒業(65文字)
振り向いて見える校舎。数時間前までいた場所がもうこんなにも遠く感じる。
あそこはもう、自分のいる場所ではないのだとわかっているから。

04. 旅(65文字)
あてどなく彷徨い、ただふらりと訪れる。
こうして色々見て、触れて、感じていれば、そのうち何かがわかるだろうか。
目的が出来るだろうか。

05. 学ぶ(65文字)
見る、聞く、触る。
そうして色々この身に受けて、吸収して、発散したらまた何かが解り。
たった一つのものは無限にも増え、世界が広がる。

06. 電車(65文字)
ガタンゴトンと緩やかな揺れは眠気を誘う。
窓の外の景色は目まぐるしく移り行くのに、
空間が停滞したように思うのは、眠気の所為だろうか。

07. ペット(65文字)
玄関の扉を開けた瞬間に目の前で嬉しそうに尻尾を振るうちの犬。
言葉にはならなくても、まるで全身で「お帰り」と言ってくれているみたい。

08. 癖(65文字)
ああ、まただ。台所から洗い物の水音に混じって歌が聞こえる。
今日は随分と機嫌がいいみたいだね。
やっぱり天気が良いと歌いたくなるのか。

09. おとな(64文字)
何もかも受け入れられるようになるのだと思っていた。
それが「おとな」なのだと。
昔より泣きたくなることが多くなるなんて思わなかった。

10. 食事(64文字)
他の誰かがいると美味しいと言って貰えるから、
気合を入れて作る気になるのに、
どうして自分一人だと、どうでもよくなってしまうのやら。

11. 本(65文字)
うっかり買ったばかりのそれに目を通していると、
気がついたら恐ろしい時間が経っていた。
……この誘惑に何度惑わされたことか。本は怖い。

12. 夢(64文字)
手に入れたいと足掻く。
得られた後はどうなるか知らないけれど、得たいから抱き続ける。持ち続ける。
持っていない人は何を抱いて生きる?

13. 女と女(65文字)
他愛もない会話。のんびりと過ぎていく空間。
でも、お菓子を片手にしっかり相手のことはチェック。
……あ、ネイルはきっとあそこの新色だ。

14. 手紙(65文字)
メールはしょっちゅう。
シンプルなやりとりもいいけど、手紙を書くときの便箋を選ぶ楽しさも捨てがたい。
筆不精だから書き始めは遅いけど。

15. 信仰(64文字)
「あの方がきっと我らを救ってくださる」
無条件で人々に信じられている自分。
でも、それなら自分は一体誰に信仰を向ければいいのだろう?

16. 遊び(64文字)
全て知っている。
だが当事者達には真実を知らせず、ただ傍観者を装う。
彼らがどう動くかを、外から眺めるだけの自分は戯れが過ぎるかね?

17. 初体験(64文字)
憧れと恐れと痛みと喜び。
震えていたのは相手だっただろうか、自分だっただろうか。
一かける一は無限。何処までも広がることを知った夜。

18. 仕事(65文字)
ただの歯車だと自嘲のように言うけれど、
歯車でもそこに在れる、というのがどれほど幸せなのか。
きっと在る最中には気付けないものなのだ。

19. 化粧(64文字)
それはある種の自己暗示であり、戦闘準備であり。
素の自分から、社会にでる自分への切り替えなのだ。
今日も笑って渡り合っていくために。

20. 怒り(65文字)
誰が許そうとも、私だけは絶対に許さない。
あの子を奪ったお前を絶対に許すものか。
心の中に抱く炎で焼くことが出来たなら、どれほど……!

21. 神秘(65文字)
発覚した頃には指先くらいの大きさだった。
生まれた頃には腕の中に収まる大きさ。
そして十数年、今は自分よりも背が高い。生命の神秘、か。

22. 噂(65文字)
耳打ちされた言葉に気のない返事をしたら、妙な顔をされた。
人伝の話を信用しない性質なだけだがな。
内容は自分の目と耳で確認するに限る。

23. 彼と彼女(63文字)
静かだ、と思って顔を上げたら、視線だけでやつらが会話を交わしていた。
なるほど。これがいわゆるツーカーってやつか。ごちそうさま。

24. 悲しみ(65文字)
あまりに突然過ぎた所為か実感が湧かない。
手が届かなくなったのは嘘だと思いたい。
ああ、悲しすぎると泣けないってこういうことか。

25. 生(64文字)
全ての始まりにして、無限の可能性がある。
何かを為すことも、生み出すことも出来る。
与えられることも奪うことも可能。全ては自分次第。

26. 死(65文字)
それは喪失。
訪れ方はそれぞれ不公平かも知れないが、
全てのものに平等に与えられる永遠の休息。
行き着く先は同じ。自分という世界の終焉。」

27. 芝居(64文字)
駆け引きは如何にはったりをかませるかで決まる。
芝居だったのかと言われても、
その後に望むものを得られるなら、勝ちだと思っているよ。

28. 体(65文字)
器だ、ただの入れ物だ、とも確かに言えるけど。
しかし、それが動かなければ結局は何も出来ない。
伝える、という手段にはやはり欠かせない。

29. 感謝(63文字)
幸福を感じる瞬間、確かに思う。
自分を生み出した人たちに、自分を取り巻く、全てのものに。
今、ここに在れる意味を忘れてはいけない。

30. イベント(64文字)
幼い頃ほどに胸は躍らない、という面はあるのかも知れない。
だけど、あの頃とは少し違う形で楽しむことが出来る。
今日はそんな特別な日。

31. やわらかさ(65文字)
相方の大きな胸。
そこに顔を押し当てると、ふわりと覆われ、隙間は僅か。
その気持ち良さについ繰り返す。包まれてる感覚が何とも心地良い。

32. 痛み(63文字)
身体の傷は見えても、心の傷は見えずに済む。
だから、覆い隠す。誰にも気付かれないように。
この痛みを知るのは自分だけで十分だから。

33. 好き(62文字)
一言で済む。
でも、その一言だけだと足りなく思うのはどうしてだろう。
色々述べるとかえって空々しくさえ思えるのを知っているのに。

34. 今昔(64文字)
昔は良かった、と口をついて出るのは
過去を美化してしまってる部分があるからだろう。
本当は昔は昔のよさが、今は今のよさがあるだけだ。

35. 渇き(65文字)
欲しい。満たされたい。足りない。
与えられるもの、全てを得たいと望む。
渇き、飢えるから、欲しいと願う。
結局は向上心の源かも知れない。

36. 浪漫(65文字)
色褪せた写真の向こうにいる祖父母の姿。
今の自分より若い頃の彼らはどんな風に過ごした?
同じように何かに心躍らせたりしていただろうか。

37. 季節(65文字)
桜が舞い散り、穏やかな日差しの中、心は踊る。
空の青さは透明度を増して、爽やかに感じられる。
全ての物から生命力が溢れ出す春に乾杯を。

38. 別れ(65文字)
失うことを想像するだけなのと、実際に失うことは大きく違う。
笑顔が見られない。優しい声が聞こえない。
あの温もりにはもう触れられない。

39. 欲(65文字)
全てが欲しい。誰にも渡したくない。触れさせたくない。
誰の目にも……留めさせたくもない。
愛なのか、独占欲なのか。自分でもわからない。

40. 贈り物(65文字)
喜んでくれる顔を、受け取ったときに綻ぶ顔を想像しながら選ぶ。
あの人だけを思って、品物を色々と探してみる。
喜んでくれるなら嬉しいな。

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